特集 できる!縫合・吻合
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
6.肝・胆道
肝実質の縫合
平田 公一
1
,
水口 徹
1
,
目黒 誠
1
,
川本 雅樹
1
,
成田 茜
1
,
木村 康利
1
,
古畑 智久
1
Koichi HIRATA
1
1札幌医科大学医学部第一外科
pp.284-288
発行日 2009年10月22日
Published Date 2009/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102820
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はじめに
今日,肝実質の縫合操作は,主として肝損傷を対象とした外科技術と認識される.一方,肝損傷の治療法として肝縫合という術式はありえないとの考え方もあり1),筆者としてもこの考え方には一理あると考えている.
肝切除時の肝離断面からの出血防止対策やその対応策として,肝縫合はかつて肝臓外科領域では応用頻度の高い手技であった.今日においても肝硬変例や出血傾向を伴う症例の肝切除などで肝離断面の出血防止対策として利用されている有用な手技ではあるが,今日の手術機器発達に伴い,この点ではその必要性が低下しつつある.
しかし,肝実質の縫合操作は消化器外科医,腹部救急外科医にとっては実際臨床上必須の手技であることは否めない.本稿では,その正確な手技のあり方とその実際を紹介する.
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