特集 できる!縫合・吻合
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
7.膵・脾
膵実質の縫合
水野 修吾
1
,
大澤 一郎
1
,
伊佐地 秀司
1
Shugo MIZUNO
1
1三重大学大学院医学系研究科肝胆膵・移植外科
pp.318-320
発行日 2009年10月22日
Published Date 2009/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102828
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はじめに
膵実質縫合は膵体尾部切除術の断端処理に必要な手技であり,主として膵体尾部に限局した膵癌が適応となることが多い.このほかに,悪性疾患では進行胃癌あるいは腎癌・副腎癌の膵浸潤や,他臓器からの膵転移,リンパ節郭清を徹底させる目的で膵体尾部の合併切除が必要な場合に適応がある.良性疾患では膵内分泌腫瘍・慢性膵炎・膵体尾部の外傷に対して,また良性・悪性境界領域疾患ではmucinous cystic neoplasm(MCN),intraductal papillary mucinous neoplasm(IPMN),solid-pseudopapillary tumor(SPT)に対して膵切除が施行され,最近では悪性所見が乏しい場合には,腹腔鏡下あるいは腹腔鏡補助下の手術が適応となる.
膵体尾部切除の際に問題となるのは術後膵液漏であり,その予防のために様々な膵実質縫合方法が報告されている.本稿では,膵体尾部切除の際に行う膵実質縫合・膵切離断端処理方法の実際につき述べる.
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