ロンドン外科学史瞥見・4
フレミング博物館を訪ねて
佐藤 裕
1
Hiroshi SATO
1
1誠心会井上病院外科
pp.1133-1136
発行日 2009年8月20日
Published Date 2009/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102669
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フレミング博物館
外科学の歴史だけにとどまらず,リスターとともに感染制御に関連して医学史上重要な位置を占めるのが,1929年に世界初の抗生物質であるペニシリン(penicillin)を発見したフレミング(Alexander Fleming:1881~1955年:図1)であることは論を俟たない.このペニシリン発見の舞台となったSt Mary's hospital(セント・メリー病院:図2)にフレミングによるペニシリン発見を顕彰した博物館があるとのことで,女性日本人ガイドを雇って家内と連れだって訪れた.
このセント・メリー病院は,現在はロンドンの西の玄関口となっているパディントン駅の傍らに1835年に創設されたイギリスでは比較的新しい病院であり,現在もロンドン市内の重要な病院として機能している(図3).ピカデリー・サーカス駅から地下鉄に乗り込み,パディントン駅で降りて地上に出ると,すぐに瀟洒な建物が目に入る.フレミングによるペニシリン発見を記念・顕彰した博物館がこの建物の2階部分にあることは,その外壁にそのことを記した銘板が掲げられていることですぐにわかる(この銘板にはごく簡単に「SIR ALEXANDER FLEMING 1881-1955 discovered PENICILLIN in the second storey room above this plaque」と記されている:図4).
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