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特集 生体肝移植―最新の話題
成人ABO不適合生体肝移植における新しい免疫抑制療法によるマクロキメリズムの誘導
Induction of macrochimerism by new immunosuppression therapy in adult ABO-incompatible living donor liver transplantation
佐藤 好信
1
,
大矢 洋
1
,
小林 隆
1
,
竹石 利之
1
,
山本 智
1
,
中塚 英樹
1
,
冨山 智香子
2
,
安保 徹
2
,
畠山 勝義
1
Yoshinobu Sato
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科
2新潟大学医動物・免疫学教室
キーワード:
成人ABO不適合肝移植
,
マクロキメリズム
,
ドナー特異的抗原門脈内投与
,
NKT細胞
Keyword:
成人ABO不適合肝移植
,
マクロキメリズム
,
ドナー特異的抗原門脈内投与
,
NKT細胞
pp.1359-1365
発行日 2005年11月20日
Published Date 2005/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100241
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要旨:成人ABO不適合生体肝移植におけるドナー分離白血球門脈内投与とサイモグロブリン投与による新しい免疫抑制療法について述べた.全例のドナーにおいて特異的血液型抗体の低下は順調で,液性拒絶,細胞性拒絶とも全症例で認めなかった.ステロイドやMMFの早期離脱も可能であった.免疫学的検討では,ドナータイプのCD56陽性T細胞が術後1か月経ても高率にグラフト肝内に存在しマクロキメリズムの状態となっていることが確認された.われわれの免疫抑制療法は新たなABO不適合肝移植の新たな治療法となり得るものと考えられた.しかし,術前感染症を有する症例では,過剰免疫となって感染症が増悪することが考えられ,さらなる検討を要するものと考える.
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