ひとやすみ・45
父親への癌治療
中川 国利
1
1仙台赤十字病院外科
pp.466
発行日 2009年4月20日
Published Date 2009/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102528
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- 文献概要
病気に対する治療は,昨今はエビデンスに基づいて行われるようになった.しかしながら,癌治療ではいまだ確立されたエビデンスは少なく,臨床では悩むことが多い.特に,種々の要因が絡み合う身内では悩みはさらに増す.
かつては70歳以上の消化器癌症例に対しては,手術はあまり行われなかった.また,施行しても単なる癌病巣切除が主体であり,郭清を伴う根治手術までは通常はしなかった.さらに,術後の癌化学療法に至っては禁忌とさえされていた.しかし,高齢化社会を迎え,80歳代の高齢者に対しても積極的に手術や癌化学療法が行われつつある.私自身も,2階まで自分で上がれる患者さんに対しては,いくら高齢者といえども手を抜かずに根治手術を行うことにしている.
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