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特集 十二指腸病変に対する外科的アプローチ
〔治療方針とその治療成績〕
十二指腸GISTに対する治療方針とその治療成績
Clinical approach to duodenal gastrointestinal stromal tumor(GIST)
西田 俊朗
1
Toshirou NISHIDA
1
1大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学
キーワード:
臓器温存
,
集学的治療
,
手術の原則
Keyword:
臓器温存
,
集学的治療
,
手術の原則
pp.1565-1570
発行日 2008年11月20日
Published Date 2008/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102370
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要旨:十二指腸gastrointestinal stromal tumor(GIST)は十二指腸粘膜下腫瘍の多くを占め,術前に病理診断がついていることは稀である.胃GISTとは異なり,KIT遺伝子エクソン9変異を伴い,KIT陽性であるがCD34はしばしば陰性を示し,病理遺伝子的には小腸GISTと同じ特徴を有している.ただし,場所の特殊性から発見の動機や手術術式が小腸GISTとは異なっている.有症状例が多く,消化管出血,腹痛,腫瘤の指摘などの症状や所見を伴っており,粘膜下腫瘍として発見された際には積極的な外科治療の対象となる.外科切除においては,肉眼的完全切除が可能であれば,可及的に臓器機能温存をはかって部分切除が推奨されるが,膵臓と一塊をなすものには膵頭十二指腸切除の適応もある.R2症例や切除不能例,再発例にはイマチニブの投与が推奨される.
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