特集 癌外科医必読 腹膜播種の治療戦略と手術
Ⅱ.各論 8)腹膜切除後再発症例に対するRe-do手術
鍛 利幸
1
1岸和田徳洲会病院腹膜播種センター
キーワード:
臓器温存
,
完全切除
,
生物学的悪性度
Keyword:
臓器温存
,
完全切除
,
生物学的悪性度
pp.1595-1602
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002971
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CRS(cytoreductive surgery),いわゆる腹膜切除は,腹膜播種に対する有効な治療選択枝の1つである1)。腹腔内温熱化学療法(hyperthermic intraperitoneal chemotherapy;HIPEC)は,肉眼的完全切除が得られたのち,組織学的遺残に対して有効と考えられてきた。この治療法の最も良い適応は,腹膜偽粘液腫や中皮腫などの生物学的悪性度が低い疾患であるが,大腸癌,卵巣などでも全身化学療法に加えて行うことによって予後を改善する効果が報告されている。この治療法において,腹腔内の腫瘍量は重要な予後因子であり,PCI(peritoneal cancer index)はその指標として用いられる2)。肉眼的完全切除〔complete cytoreduction(CC-0 / 1)〕が得られれば比較的良好な予後が期待できるが,その多くは再発する。大腸癌腹膜播種の過去の臨床試験では無再発生存は15%にすぎず,腹膜偽粘液腫でもPCIの高い症例では半数以上が再発する3)。
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