特集 肛門疾患診療のすべて
16.肛門疾患と混同しやすい疾患
尖圭コンジローマ,真菌症,ヘルペスの診断と治療
藤好 建史
1
Tateshi FUJIYOSHI
1
1藤好クリニック
pp.365-371
発行日 2008年10月22日
Published Date 2008/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102355
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要旨 尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス(HPV)のなかの低リスク粘膜型HPVのうち6型,11型の感染で起こる.成人は通常性行為による直接感染が原因である.小児では親から感染することが多い.治療の原則は切除で,電気メスやレーザーが用いられる.肛門部の真菌症はカンジダ,特にCandida albicansによる感染症である.診断は水酸化カリウム標本で菌糸と桑の実状の胞子集団を発見することによる.治療は抗真菌剤と低強度のステロイド剤の等量の外用および局所の洗浄,乾燥を原則とする.肛門ヘルペスの診断は原則,水疱底の細胞搾過によるTzanck試験で巨細胞を発見することによる.成人の初感染は性感染である.
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