今月の臨床 外来でみる感染症
感染症とその治療
19.尖圭コンジローマ
吉川 裕之
1
Hiroyuki Yoshikawa
1
1東京大学医学部産婦人科教室
pp.950-951
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900520
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疫学とウイルス学
尖圭コンジローマ(Condyloma Acuminatum)はヒトパピローマウイルス(HPV)の性行為感染により発生する良性腫瘍(乳頭腫)である。
腟・子宮頸部に限局する尖圭コンジローマでは外陰癌・子宮頸癌の発生に関与するHPV 16やHPV 18が検出されることがあり,癌との関係も否定できないが,外陰の尖圭コンジローマでは多くはHPV 6およびHPV 11が発生原因と考えられ,癌との関係はほとんどないと考えてよい。ただし,鑑別診断としてボーエン様丘疹症(bowe—-noid papulosis-HPV 16感染による前癌病変),giant condyloma,外陰癌などがあり,組織診断を省略することはできない。
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