特集 肛門疾患診療のすべて
16.肛門疾患と混同しやすい疾患
化膿性汗腺炎の診断と治療
原田 昌和
1
,
荒木 靖三
1
Masakazu HARADA
1
1大腸肛門病センターくるめ病院外科
pp.359-363
発行日 2008年10月22日
Published Date 2008/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102354
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要旨 化膿性汗腺炎はアポクリン汗腺の閉塞,感染が原因で発症する汗腺炎である.難治性で瘻孔形成・瘢痕化を伴って周囲に拡大し,病悩期間は十年以上に及ぶこともある.発症部位は腋窩,陰部,鼠径部に最も多く認められる.女性に多く発症するが,臀部の化膿性汗腺炎は圧倒的に男性に多く認める.わが国では臀部・陰部周囲に発症する化膿性汗腺炎を慢性臀部膿皮症としている.初期病変はほかの感染性皮膚炎との鑑別が困難なことも多く,その後の経過で診断することもある.治療は外科的切除が基本で,局所切除~広範囲切除,皮膚移植,unroofing of sinus tract,coring out法など様々ではあるが,病態の部位や範囲,手術方法の長所・短所を十分考慮し治療を行う必要がある.
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