特集 肛門疾患診療のすべて
16.肛門疾患と混同しやすい疾患
直腸脱の診断と治療
梅枝 覚
1
Satoru UMEGAE
1
1四日市社会保険病院外科・大腸肛門病・IBDセンター
pp.329-338
発行日 2008年10月22日
Published Date 2008/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102351
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要旨 直腸脱(rectal prolapse)とは,直腸壁の一部または全層が肛門外に脱出することである.脱出したものが粘膜のみであれば不完全直腸脱,全層であれば完全直腸脱と呼ぶ.直腸脱疾患は乳幼児から高齢者まで広くみられるが,最近では高齢化に従い高齢者の直腸脱が増加している.病態生理も様々であるため,術前の病態の十分な精査・把握が必要である.様々な術式が行われているが,病状に対する治療方式が解剖学的に異なり,また根治性や侵襲の程度も異なってくる.直腸脱は良性疾患であることから,患者の年齢,全身状態,術式の難易度,術後再発率,合併症,術後排便障害などを考慮して個々の患者に適した術式を決める必要がある.
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