Japanese
English
綜説
裂肛とその1手術法
Fissure in Ano and a new Operative Technic
工藤 達之
1,2
,
工藤 市雄
1,2
Tatuuki KUDO
1,2
,
Ichio KUDO
1,2
1慶應義塾大學醫學部外科學教室
2慶應義塾大學醫學部附屬月ケ瀬温泉治療學研究所
1Surgical Dept. University of KEIO
pp.125-128
発行日 1953年3月20日
Published Date 1953/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201206
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裂肛は慢性化するとなかなか治癒し難く,殊に裂創の囲周に瘢痕形成が著明となり,又所謂Sentinel pileと呼ばれるポリープが形成されると,例え一時的の軽快を見ることがあつても屡々増惡を繰返えし,自然治癒は殆ど望まれなくなる.この頃患者は上圊時の苦痛と出血に堪えられなくなつて外科医を訪れるのであるが,著者等はこれ等の患者に対し成書に記載してある各種の治療法を試みて来たが,いずれも多少の欠点があつて充分満足すべき方法とは思われなかつた.
幸に昭和21年以降我々は慶應義塾大学医学部附属月ケ瀬温泉治療学研究所に勤務し,昭和27年9月迄に521例の肛門疾患の手術的治療を行つたが,そのうちに26例の慢性裂肛を経驗することが出来たので,これ等の症例に就て調査を行う一方手術法の改良に努めて来た.最近に至つてその調査の結果と,手術症例の予後調査も一段落し,ほゞ満足すべきものと考えられるに到つたのでこゝにその成績を報告し諸賢の御参考に供し度いと考える.
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