特集 肛門疾患診療のすべて
6.裂肛
裂肛の診断と分類
渡辺 賢治
1
Kenji WATANABE
1
1渡辺醫院
pp.159-167
発行日 2008年10月22日
Published Date 2008/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102330
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要旨 裂肛は日常の診療でよく遭遇する疾患で,内痔核や痔瘻とともに肛門の三大疾患の1つとされている.女性では30歳未満に最も多くみられるのに対して,男性では40歳代にピークを認める.発生部位は男女とも肛門の後方と前方に多く,男性では後方に,女性では前方に多くみられる.肛門ポリープやskin tagの合併は女性に有意に多かった.最大肛門静止圧は男女とも年齢を問わず高値である.裂肛は(1)単純性裂肛,(2)脱出性裂肛・随伴性裂肛,(3)症候性裂肛に分類され,それぞれ急性期と慢性期に分けられる.裂肛は排便による肛門上皮の外傷から始まるが,これを繰り返していくうちに慢性化していく.早期の原因の除去や治療が必要と考えられる.
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