特集 肛門疾患診療のすべて
5.痔核
内痔核
内痔核の硬化療法
斎藤 徹
1
,
佐々木 宏和
1
,
徳永 行彦
1
Toru SAITO
1
1大阪北逓信病院外科・肛門科
pp.111-117
発行日 2008年10月22日
Published Date 2008/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102325
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要旨 本稿では痔核硬化療法の(1)適応,(2)投与薬剤の種類および作用機序,投与(注射)方法,(3)大阪北逓信病院におけるaluminum potassium sulfate/tannic acid(ALTA)の臨床と成績を詳述した.ALTAの施行には基本に忠実な四歩注射法が必須であるため,特に実技の内容を詳しく記載した.
当院では597例にALTAを施行し,再発を認めたのは28例(4.7%)であった.投与量の少ない症例と適応の限界に近い症例がほとんどであった.合併症を84例に認め,有害事象は97項目であった.痛みが43例と最も多く,腫脹を30例,発熱を10例,出血を6例に認めた.しかし,重篤な副作用は認めなかった.入院期間が短く,料金が安く,痛みが小さく,また,再発率も低いので,ALTAを希望する症例が増加している.
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