特集 肛門疾患診療のすべて
5.痔核
内痔核
内痔核の保存療法
平田 雅彦
1
Masahiko HIRATA
1
1平田肛門科医院
pp.89-99
発行日 2008年10月22日
Published Date 2008/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102323
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要旨 内痔核は成人の約8割が罹患している疾患である.また,内痔核は生活習慣病と定義される.そのため,内痔核の治療は生活指導を中心として保存的に行い,手術をせずに内痔核と患者が共存できる道を探るべきである.実際,欧米の内痔核の手術率は10%以下である.内痔核を発生させ,かつ悪化させる原因となる生活習慣を検証し,その1つ1つを改善するという地道な治療が求められる.正すべき生活習慣は(1)排便の異常(便秘と下痢),(2)肉体の疲れ,(3)精神的ストレス,(4)長時間の座業,(5)生理,(6)体の冷え,(7)飲酒などが挙げられる.生活指導と適切な薬剤の使用により,初診から3か月で87%の患者は手術せずに内痔核と共存できる.
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