Japanese
English
特集 がんの切除範囲を考える―診断法とその妥当性
肝外胆管癌の進展度診断と至適切除範囲を考える
Appropriate extent of resection based on staging diagnosis for extrahepatic bile duct cancer
鈴木 裕
1
,
杉山 政則
1
,
阿部 展次
1
,
柳田 修
1
,
正木 忠彦
1
,
森 俊幸
1
,
跡見 裕
1
Yutaka SUZUKI
1
1杏林大学医学部外科
キーワード:
肝外胆管癌
,
進展度診断
,
至適切除範囲
Keyword:
肝外胆管癌
,
進展度診断
,
至適切除範囲
pp.1207-1214
発行日 2008年9月20日
Published Date 2008/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102254
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要旨:外科的切除は肝外胆管癌の長期生存を期待させる唯一の治療法である.しかし,悪性度も高く切除不能例も少なくないため,術前の的確な進展度診断が治療方針の決定のために重要である.肝外胆管癌の進展度診断は主に水平方向と垂直方向とで評価される.水平方向診断は胆管の切離線を決定するために,垂直方向診断は垂直方向の診断は血管浸潤や神経浸潤などの評価に重要である.診断にはUS,CT,MRI,MRCP,ERCやPTCなどの直接胆道造影などが行われているが,近年は多彩な画像構築が可能なMDCTが有用であり,multi-planar reformation(MPR)やmaximum intensity projection(MIP),volume renderingなどによって低侵襲に詳細な画像診断が可能となった.的確な術前診断のもとに,あらゆる断端を癌陰性としR0となるような根治手術を目指すべきである.しかし,大動脈周囲リンパ節郭清や門脈や肝動脈などの血管合併切除については,いまだ一定のコンセンサスを得られておらず,議論を要するのが現状である.
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