外科医局の午後・47
フリーター医師
岡崎 誠
1
1市立伊丹病院外科
pp.1126
発行日 2008年8月20日
Published Date 2008/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102235
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最近,フリーターの医師が増えているらしい.特に,麻酔科では各地で常勤医師が退職し,病院では手術に支障をきたしている.手術ができなくなると病院の収入も激減する.したがって,病院はパートで麻酔科医師を招聘しようとする.パートの麻酔科医師は常勤のときより収入が2~3倍になることもざらにあるらしい.この傾向は今後,麻酔科にとどまらず,外科や内科にも拡大する可能性が大いにある.実際,私の後輩でも,ある特殊な分野の技術を身につけ,各病院をまわって手術している,俗に言うフリーター医師がいる.自治体病院から常勤要請があるが,収入や気楽さの点で断っていると聞く.昨年末にお会いしたが,羽振りはいかにもよかった.
常勤医師とフリーター医師を比較して長所,短所を考えてみた.常勤医師の長所はとにかく,俗に言う「身分」がとりあえず安定していること,患者を継続的に診ることができること,部長や副院長,院長という役職を得ることができることなどが挙げられる.短所としては,収入は総じて少なく,色々な規制があり,患者から感謝されることもあるが,逆に恨まれたり,訴えられたりするリスクが高いことなどが考えられる.
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