特集 膵癌への挑戦
膵癌に対するより根治度の高い膵切除術とは
井上 陽介
1
1公益財団法人がん研究会有明病院肝胆膵外科副医長
キーワード:
膵癌
,
膵頭十二指腸切除術
,
補助化学療法
,
集学的アプローチ
Keyword:
膵癌
,
膵頭十二指腸切除術
,
補助化学療法
,
集学的アプローチ
pp.39-45
発行日 2017年1月20日
Published Date 2017/1/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.35.01_0039-0045
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膵癌は,数ある消化器癌のなかでも圧倒的に予後不良であり,5年生存率は5%前後である1)2)。膵癌を根治せしめる唯一の選択肢は,依然として外科的切除のみであるが,その対象となる患者の割合は膵癌全体の2割程度に過ぎない3)。切除可能膵癌では,近年は切除+術後補助療法,切除可能境界(Borderline resectable;BR)膵癌では術前補助療法+切除(+術後補助療法)といった,集学的アプローチで膵癌に臨む戦略が標準となってきており4)-6),外科的切除の役割は変化してきている。今日膵癌の外科的切除に求められるものは何であろうか。本稿では,過去の知見をベースに考案された,現在当院で行われている膵切除のポイントを解説していく。「KEY WORDS」膵癌,膵頭十二指腸切除術,補助化学療法,集学的アプローチ
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