Japanese
English
特集 肛門疾患診断・治療のコツと実際
裂肛の診断・治療のコツと実際
Management for the anal fissures―Therapeutic knack & practice
松田 保秀
1
,
川上 和彦
1
,
浅野 道雄
1
,
中井 勝彦
1
,
木村 浩三
1
,
野中 雅彦
1
,
河合 めぐみ
1
,
友近 浩
1
Yasuhide MATSUDA
1
1特定医療法人 胃腸科・肛門科 松田病院
キーワード:
裂肛
,
保存的療法
,
chemical sphincterotomy
,
手術療法
,
治療成績
Keyword:
裂肛
,
保存的療法
,
chemical sphincterotomy
,
手術療法
,
治療成績
pp.1331-1339
発行日 2007年10月20日
Published Date 2007/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101846
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
要旨:裂肛は三大痔疾患のなかで最も痛みが強く,働き盛りの20~50歳代までの年代に多い.一般的に女性に多いと思われているが,男女比はほぼ同じである.病因は怒責による外傷,肛門腺感染,肛門後方上皮血行障害といわれている.病期は大きく急性期と慢性期に分けられ,急性期は保存的療法,慢性期は手術療法の対象になる.症状は急性期では排便時の肛門痛・出血が中心で,慢性期には皮垂・肛門ポリープの脱出や肛門狭窄もみられる.診断は問診と器具診で行うが,痛みで指診が困難なこともある.治療は心身の安静と排便調節が基本であり,①保存的療法,②chemical sphincterotomy(薬物的括約筋切開術),③手術療法がある.Chemical mediatorとしてはニトログリセリン軟膏,ニフェジピン軟膏,ボツリヌス注射液などがある.手術療法では裂肛切除術,側方皮下内括約筋切開術(LSIS),sliding skin graft(SSG),skin flapを用いたanoplastyなどが工夫されている.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.