Japanese
English
臨床報告・1
ITPに対する腹腔鏡下脾臓摘出術後に肺塞栓症をきたした1例
A case of pulmonary embolism following laparoscopic splenectomy for idiopathic thrombocytopenic purpura
盛 真一郎
1
,
川崎 雄三
2
,
大迫 保
2
,
野村 秀洋
2
,
山角 健介
3
,
愛甲 孝
4
Shinichiro MORI
1
1阿久根市民病院消化器病センター
2慈愛会今村病院外科
3循環器クリニック山角
4鹿児島大学大学院医歯学総合研究科腫瘍制御学・消化器外科
キーワード:
突発性血小板減少性紫斑病
,
腹腔鏡
,
深部静脈血栓症
,
肺塞栓症
,
脾臓
Keyword:
突発性血小板減少性紫斑病
,
腹腔鏡
,
深部静脈血栓症
,
肺塞栓症
,
脾臓
pp.1135-1138
発行日 2007年8月20日
Published Date 2007/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101809
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura;以下,ITP)に対する摘脾術は,その有効性から治療の主流となっており,さらに腹腔鏡下手術が導入され,その有用性が多く報告されている1,2).しかしながら,摘脾術後の反応性血小板増加に際しては,血栓症合併の危険性が示唆されており3),欧米における腹腔鏡下脾臓摘出術周術期の下肢深部静脈血栓症(deep venous thrombosis;以下,DVT)発生の報告が散見される2,4).一方,肺塞栓症は種々の塞栓子が肺動脈を閉塞して生じる病態であり,その成因としてのDVTは重要である5,6).わが国では,ITPに対する腹腔鏡下脾臓摘出術後のDVT発生の報告は稀で,肺塞栓症を合併した症例の報告は見当たらない7).
今回,われわれはITPに対する腹腔鏡下脾臓摘出術後に肺塞栓症をきたした1例を経験したので報告する.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.