Japanese
English
臨床報告・1
回盲部に消化管間質腫瘍様の壁内転移をきたした子宮頸癌の1例
Colon metastasis from squamous cell carcinoma of the uterine cervix masquerading as an intramural stromal tumor
佐久間 貴彦
1,3
,
池田 公正
2
,
畑 泰司
2
,
賀川 義規
2
,
島野 高志
2
Takahiko SAKUMA
1,3
1市立豊中病院病理科
2市立豊中病院外科
3兵庫医科大学病院病理部
キーワード:
子宮頸癌
,
大腸転移
,
リンパ節微小転移
Keyword:
子宮頸癌
,
大腸転移
,
リンパ節微小転移
pp.1131-1134
発行日 2007年8月20日
Published Date 2007/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101808
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はじめに
末期癌を除き,消化管,特に大腸への癌転移は少ないが,そのなかでも悪性黒色腫1,2),肺癌3,4),乳癌5~9)は大腸転移の報告がみられる.他臓器原発癌の消化管転移は稀で,散発的に報告がみられるにすぎない.
今回,われわれは回盲部に消化管間質腫瘍様の転移をきたした子宮頸癌症例を経験した.子宮頸癌の大腸転移はほかに1例の報告10)がみられるにすぎない.本症例は術前,子宮頸癌の再発・大腸転移の診断に至らず,術後の病理組織検査にて初めて確定診断を得た.子宮頸癌が進行癌ではなかったこと,子宮頸癌の大腸転移は稀であること,消化器症状が術後に施行された全骨盤照射に由来すると判断していたことから,回盲部への子宮頸癌転移を鑑別診断として挙げ得なかった.興味ある症例と考え,文献的考察を加えて報告する.
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