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あとがき
跡見 裕
pp.576
発行日 2007年4月20日
Published Date 2007/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101768
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病院関係者にとって,喫煙の問題はなかなか大変である.4年前に病院機能評価の認定を受けるときにもこの扱いに困った.当時の基準では分煙がしっかりとなされていればよいとのことであった.外来患者の受付前に喫煙室が設けられており排煙シムテムも完備したもので,基準は十分に満たしていた.喫煙室はガラス張りで,椅子がなく立ったままでタバコをくゆらせるのである.この中でいつしか白衣姿の喫煙者がみられるようになり,この数がどんどん増えてしまう.これもまたいささか異様な光景であった.
また,機能評価の認定状況に関する情報を分析すると完全な禁煙がどうも必要なようであり,とにかく院内ではいっさい喫煙を認めないことになった.この決定後,数か月して各医局や当直室を抜き打ち検査した.何となく秘密警察みたいで嫌な役割であるが,これが結構役に立った.医局の扉を開けたとたんに,タバコを口にくわえた医師がうろたえたりしたものである.ある医局では,私たちはタバコを吸いませんと大きなポスターが張ってあり,感心して見てみると“吸いません”が“吸います”になっていた.喫煙者の抵抗もなかなかのものである.
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