Japanese
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特集 癌と紛らわしい各領域の諸病変
浸潤性膵管癌と紛らわしい疾患
Important distinctions between invasive ductal carcinoma and the others
河岡 徹
1
,
山本光太郎
1
,
岡 正朗
1
Kawaoka Toru
1
1山口大学医学部消化器・腫瘍外科
キーワード:
膵癌
,
腫瘤形成性膵炎
,
島細胞腫瘍
,
腺房細胞癌
,
転移性膵癌
Keyword:
膵癌
,
腫瘤形成性膵炎
,
島細胞腫瘍
,
腺房細胞癌
,
転移性膵癌
pp.1235-1241
発行日 2003年9月20日
Published Date 2003/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101504
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膵癌は消化器癌のなかでも最も予後が不良な疾患であり,5年生存率はわずか4.9%ときわめて低い.しかしながらstageⅠ症例では5年生存率は膵頭部癌49.5%,膵体尾部癌51.9%と高く,いかに切除可能な状態での早期発見が重要かがわかる.
膵癌は一般的に豊富な線維性間質を有する乏血性の腫瘍であり,局所への強い浸潤や早期の段階での遠隔転移を認めることが多い.それらの点を踏まえて他の疾患との鑑別を早急かつ的確に行う必要がある.具体的に鑑別すべき疾患としては腫瘤形成性膵炎,島細胞腫瘍,腺房細胞癌,転移性膵癌などが挙げられる.
現在,膵癌を早期診断するために従来の腹部超音波,CT,MRCP,血管造影などの諸検査に加えて,FDG-PET,EUS-FNABなども有用な検査手段となってきている.これらを用いて多角的に膵癌と他の疾患を鑑別する必要がある.
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