今月の主題 凝固制御
総論
炎症と凝固のクロストーク―その分子機序と臨床治療への応用
岡嶋 研二
1
Kenji OKAJIMA
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科 展開医科学分野
キーワード:
生体防御反応
,
血管内皮細胞
,
腫瘍壊死因子
,
播種性血管内凝固症候群
Keyword:
生体防御反応
,
血管内皮細胞
,
腫瘍壊死因子
,
播種性血管内凝固症候群
pp.1533-1542
発行日 2008年12月15日
Published Date 2008/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101832
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凝固系の活性化は,侵害刺激を受けた宿主の生体防御反応の一つである.しかし,血管内皮細胞による生体防御反応の制御系が破綻すると,過剰な生体防御反応,すなわち炎症が惹起される.このような状況では凝固の活性化は炎症の増悪因子となる.アンチトロンビンなどの凝固制御物質の中のいくつかのものは抗凝固作用に加え,抗炎症作用や細胞再生促進作用を有し,重症敗血症などの炎症と血栓形成を伴う病態の治療に用いられる.
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