外科学温故知新・18
炎症性腸疾患の外科
二見 喜太郎
1
Kitaro FUTAMI
1
1福岡大学筑紫病院外科
pp.375-381
発行日 2007年3月20日
Published Date 2007/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101236
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1 はじめに
近年,わが国における炎症性腸疾患〔inflammatory bowel disease(以下,IBD),潰瘍性大腸炎,Crohn病〕の増加は顕著である.治療の主体である内科的治療の進歩は,この数年著しいものがある.しかし,内科的治療の進歩によって手術例が減少したという報告は現状ではなく,外科治療が1つの柱であることに変わりはない.
IBDに対する外科治療は外科医にとっては受け身のことが多く,しかも根治できない疾患だけに厄介な手術の対象である.当施設におけるIBDに対する治療体制は,まず消化器内科医がしっかりと治療を行い,その限界となったものを外科治療の適応としている.
本稿では,IBDの外科治療の現状を自験例を交えて解説するとともに,IBDに対する外科治療の歴史的変遷も紹介して私の務めとしたい.
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