元外科医,スーダン奮闘記・10
11月,日本
川原 尚行
1
Kawahara Naoyuki
1
1NPOロシナンテス代表
pp.233-235
発行日 2007年2月20日
Published Date 2007/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101186
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看護学生に感心
前回,帰国した際に久留米大学医学部看護学科で講義を行った.その直後,何人かの学生さんが「私もスーダンに行きたい」と言ってきた.一見してチャラチャラした感じの女学生であった.私はある程度,来る者拒まずの精神であるが,事務局の者などは,このような格好,態度の学生がスーダンに来るとかえって迷惑になるのではとまで考えたようである.何人かの希望があったが,両親まで説得してスーダンに来ることができたのは1人であった.事務局の不安は消えないままであったが,スーダンでは驚くほどの順応性を見せてくれた.基本的に,女性の訪問は,男性ばかりのロシナンテスの棲家ではなく,ホームステイ先を選んで滞在してもらっている.ホームステイ先の家族ともうまく暮らしていた.現場での勉強も少しさせた.
彼女が帰国したのち,大学の学園祭に私を呼んでくれた.彼女が前座で話をして,そのあとに私が講演を行った.企画も彼女を中心に行っており,こちらでは何の手伝いもしてないのにポスター展示も行っていた.驚いたことに,私の次の日の講演はかの有名な中村哲先生であり,講演会場,ポスター展示ともに私と並列に扱われており,大変恐縮した.講演会後は大勢の友達を連れて募金活動を行ってくれた.私自身も募金のお願いをして回ったが,自分のことなのに妙に照れくさかった.彼女は,来年には英国で看護修行を行うことを望んでいるらしく,担当の教授もスーダン行き前後で人が変わったようであると述べていた.スーダンの場を踏み台にして大きく羽ばたいてもらいたいと私も望んでいる.
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