カラーグラフ 内視鏡外科手術に必要な局所解剖のパラダイムシフト・3
腹腔鏡下幽門側胃切除術
松田 年
1
,
星 智和
1
,
和久 勝昭
1
,
大沼 淳
1
,
葛西 眞一
1
,
加藤 一哉
2
Minoru MATSUDA
1
1旭川医科大学第2外科
2ぴっぷクリニック外科
pp.1511-1516
発行日 2004年12月20日
Published Date 2004/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101097
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はじめに
腹腔鏡下手術は低侵襲であることから,様々な疾患に対して行われるようになってきた.胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術もその1つであるが1~3),手技の難しさゆえに広く普及するには至っていない.その原因としては,(1)腹腔鏡下手術特有の視野の狭さ,(2)操作ポートの数と動作が限られており,特殊な器具を使用しなければいけないこと,(3)腹腔鏡下の郭清が困難で不十分であると思われていること,(4)腹腔鏡下に適した消化管吻合器が開発されていないこと,が挙げられる.
われわれは1996年から腹腔鏡補助下幽門側胃切除術を開始し,その手術手技の改良に努めてきた4).1998年には,腹腔鏡下手術を専門に行っていない施設でも受け入れやすい手技として,ハンドアシスト法を併用した腹腔鏡補助下幽門側胃切除術を導入し5,6),さらに改良を加えて非常に良好な結果を得ている.
本稿では,幽門側胃切除術ついて解剖のポイントとはくはく離,切離の際のコツを中心に解説する.
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