カラーグラフ 診療に役立つ肉眼像と組織像の理解―マクロからミクロ像を読む・7
肝:良性疾患(炎症,代謝異常など)
山際 健太郎
1
,
上本 伸二
2
,
小塚 祐司
3
Kentaro YAMAGIWA
1
1三重県立志摩病院外科
2京都大学大学院医学研究科肝胆膵・移植外科
3三重大学医学部附属病院病理部
pp.863-870
発行日 2006年7月20日
Published Date 2006/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100917
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はじめに
肝臓の炎症や代謝異常などの良性疾患においては血清学的,血液生化学的診断と生検による組織診断が中心であり,内視鏡で容易に観察できる消化管と違って画像は補助診断に過ぎず,肉眼所見も診断学的価値は少ない.一方,近年の画像診断の進歩によって,以前は悪性腫瘍との鑑別診断が難しく外科的に切除された腫瘍類似の肝良性病変に対しても的確な診断のもとに経過観察されることが多くなった.
本稿では,肝移植の適応となる炎症および代謝異常疾患と,腫瘍類似の肝良性疾患や良性肝腫瘍のなかでわれわれが経験した症例のなかから,特徴的なもの,鑑別診断に役立つものを中心に,その肉眼的および組織学的所見を解説する.
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