特集 小外科・外来処置マニュアル
Ⅵ.直腸・肛門
66.裂肛
長谷川 博俊
1
,
西堀 英樹
1
,
石井 良幸
1
,
山内 健義
1
,
北島 政樹
1
Hirotoshi HASEGAWA
1
1慶應義塾大学医学部外科
pp.214-216
発行日 2004年10月22日
Published Date 2004/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100842
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疾患の概念
裂肛とは,肛門上皮に発生した亀裂,びらん,潰瘍の総称である.
裂肛の初期は単に肛門上皮の浅い裂創がみられ,その底部には縦に走る縦走筋線維の走行が認められる(図1).特徴的な症状は,排便時にトイレットペーパーにつく鮮血と,排便時およびそのあともしばらく続く疼痛である.診断は,患者を左側臥位もしくはシムス位にし,両手で臀裂を左右に拡げ,肛門部の裂創を確認することで確定する.
裂肛が慢性化してくると,肛門上皮に深い難治性の潰瘍が形成され,潰瘍底には横走する内括約筋線維が認められるようになる.また,肛門ポリープやskin tagが形成され,肛門狭窄をきたすようになる.
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