特集 小外科・外来処置マニュアル
Ⅲ.頸部・肩
43.外傷性肩関節脱臼
吉原 潔
1
,
出沢 明
1
Kiyoshi YOSHIHARA
1
1帝京大学医学部附属溝口病院整形外科
pp.139-141
発行日 2004年10月22日
Published Date 2004/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100819
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疾患の概念
肩関節は,四肢の関節のなかで最も大きな可動域を有するball and socket jointである.解剖学的には上腕骨頭の大きさに比べて肩甲骨関節窩が小さく浅いため,その安定性は腱板や関節唇などの軟部組織に依存している.したがって,肩関節は自由度が大きい反面,脱臼しやすい関節と言える.その割合は全身の外傷性関節脱臼の約50%を占める.若年男性のスポーツ外傷に伴うものが多く,高齢者がそれにつぐ.
肩関節脱臼は脱臼した上腕骨頭の方向によって前方,後方,下方に分けられるが,95%が前方脱臼で,そのほかは非常に稀である.したがって,本稿では前方脱臼に関して述べる.
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