今月の主題 輸血;新しい技術
技術解説
血球成分分離採取法
寮 隆吉
1
,
椋本 芳樹
1
,
足立 昌司
1
,
吉田 明憲
1
,
堂脇 義雄
2
Ryukichi RYO
1
,
Yoshiki MUKUMOTO
1
,
Masashi ADACHI
1
,
Akinori YOSHIDA
1
,
Yoshio DOWAKI
2
1神戸大学医学部附属病院輸血部
2兵庫県赤十字血液センター
pp.502-509
発行日 1987年5月15日
Published Date 1987/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913317
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成分血液採取法は,患者に不足している血液成分,例えば血漿,血小板,顆粒球あるいは赤血球を分画採取する方法である.まず成分血液採取ができる3種類の成分採血装置(Cobe2997,CS-3000,Haemonetics V-50)の機構の違いを述べ,これらの機械を操作する際に遭遇するvasovagal反応や,クエン酸中毒の症状とその処置を解説した.また,採取される血漿,血小板,顆粒球,LAK細胞,そして幹細胞の各血液製剤の特徴を明らかにして,それらの製剤の投与方法と適応疾患を説明した.特に,単一な供血者から得られる血液製剤は,HLA適合血を確保したり,輸血副作用を軽減するために好つごうであることを強調した.成分採血装置を用いて大量に自己LAK細胞を作製して,インターロイキン2とともに末期癌患者に投与すると腫瘍の縮小がみられるというadoptiveimmunotherapyも紹介した.
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