今月の主題 膵疾患
技術解説
膵液採取法
菅田 文夫
1,2
1昭和大学内科
2藤が丘病院
pp.507-512
発行日 1981年5月15日
Published Date 1981/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911230
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膵外分泌機能検査として膵液を採取し,その組成,特にアミラーゼ,重炭酸塩,液量などを測定,時には細胞診にて癌細胞を見いだすことは,慢性膵疾患,特に慢性膵炎あるいは膵癌の診断に不可欠である.本検査は膵の臨床検査の中で中心に位置するものであり,日本膵臓病研究会の慢性膵炎に対する診断基準の試案においても,組織学的所見,腹部X線写真による膵石灰化の存在とともに,本検査の異常がその確診のための根拠とされている.しかし膵外分泌は一般に実質細胞からの酵素,蛋白の合成分泌にしても,膵管上皮からの水と重炭酸塩の分泌にしても,何らかの刺激を与えることによって,初めて測定可能な量の膵液が得られる.そこで一般にはパンクレオザイミン(CCK-PZ)及びセクレチンにて刺激する方法が行われている(PS試験),試験食などによる間接的刺激法やERCP(内視鏡的膵管造影)の際の膵液採取法も考えられるが,本項においてはPS試験における膵液採取法について主として記述し,直接膵管より採取する方法については若干触れるに留めたい.
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