目で見る外科標準術式・44
Mesh plug法
伊神 剛
1
,
長谷川 洋
1
,
坂本 英至
1
,
小松 俊一郎
1
,
森 俊治
1
Igami Tsuyoshi
1
1名古屋第二赤十字病院外科
pp.49-55
発行日 2004年1月20日
Published Date 2004/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100517
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はじめに
成人鼠径ヘルニアに対する術式は従来法から腹腔鏡を利用した術式まで多種多様にあり,各々に長所,短所がある.そのなかでmesh plug法はLichtensteinら1)のtension-freeという概念を発展させ,Rutkowら2)が開発した術式で,人工的なprosthesisを使用し再発率も低く,初心者にも確実に施行可能である.当院では1995年3月からmesh plug法を採用し,麻酔法として局所麻酔を主体に選択してきた3).局所麻酔下mesh plug法は合併症を有する高齢者でも安全に施行可能で,短い手術時間,良好な術後QOL, day surgeryが可能など有用な点が多い.しかし,局所麻酔下で患者に苦痛を与えずに手術を施行するには麻酔法や術式に対する正確な理解,術中の細やかな配慮が重要である.今回は,鼠径ヘルニアに対する局所麻酔下mesh plug法の詳細と工夫点を中心に述べる.
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