Japanese
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特集 癌の播種性病変の病態と診断・治療
スキルス胃癌腹膜転移に対する温熱化学療法―安全かつ効果的なchemo hyperthermic peritoneal perfusion(CHPP)の手技
Intraperitoneal chemohyperthermia for peritoneal carcinomatosis from schirrous type gastric cancer:safe and effective maneuver of chemo hyperthermic peritoneal perfusion(CHPP)
片山 寛次
1
,
村上 真
1
,
廣野 靖夫
1
,
永野 秀樹
1
,
本多 桂
1
,
五井 孝憲
1
,
石田 誠
1
,
飯田 敦
1
,
山口 明夫
1
Kanji KATAYAMA
1
1福井大学医学部第一外科
キーワード:
スキルス胃癌
,
腹膜播種
,
温熱化学療法
,
腹腔内化学療法
,
腹膜灌流
,
CHPP
,
thermal dose
Keyword:
スキルス胃癌
,
腹膜播種
,
温熱化学療法
,
腹腔内化学療法
,
腹膜灌流
,
CHPP
,
thermal dose
pp.755-762
発行日 2006年6月20日
Published Date 2006/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100464
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要旨:われわれが開発した開腹法CHPPの手技の変遷と最新の手法について詳述し,スキルス胃癌における予防的および治療的CHPPの効果につき検討した.スキルス胃癌H0P0郭清切除症例におけるCHPP非施行例では5年生存率が12.5%であるのに対して,CHPP群では50%と腹膜再発予防効果と延命効果を認めた.スキルス胃癌H0P1に対する治療的CHPPでは,2年生存率44%,5年生存率は11%であり,CHPP非施行,非郭清切除症例に比して有意に延命効果を示した.CHPPにおいて20分以上のthermal doseを得た症例では20分未満の症例より有意に延命が認められた.開腹法の開発によりCHPPは効果的かつ安全に行えたが,術後は重症熱傷に準じた集中治療を要した.スキルス胃癌で腹膜転移を認めても,そのほかの非治癒因子が切除可能な場合は,積極的な切除とCHPPにより延命が得られる症例がある.CHPP施行中に加温効果を定量化することで精度の高い治療が行える.
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