特集 必携 消化器・一般外科医のための外科解剖アトラス
Ⅴ 鼠径部・腹壁瘢痕ヘルニア 2 TAPP法に必要な鼠径部解剖
嶋田 元
1
,
松原 猛人
1
,
海道 利実
2
1聖路加国際病院ヘルニアセンター / 消化器・一般外科
2聖路加国際病院消化器・一般外科
キーワード:
鼠径ヘルニア
,
局所解剖
,
腹腔鏡手術
Keyword:
鼠径ヘルニア
,
局所解剖
,
腹腔鏡手術
pp.687-697
発行日 2024年3月31日
Published Date 2024/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003825
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鼠径部の解剖は複雑である。解剖学的構造が複雑なだけでなく,歴史的に同じ構造物をさまざまな著者がさまざまな呼称を示し,複雑さに拍車をかけている1-10)。このため過去の教科書や文献を紐解いても一度で理解することは難しい。そのような背景にもかかわらず鼠径部ヘルニア手術はわが国で年間およそ15万件実施されており,そのうち腹腔鏡手術はおよそ半数を占める。腹腔鏡下鼠径部ヘルニア修復術のうち,TAPP(transabdominal preperitoneal approach)が大多数を占めるとされており,TAPPにおける鼠径部局所解剖の理解は手術を安全かつ効率的に行ううえで非常に重要である。
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