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特集 肝切除のコツを知る―出血を少なくするために
肝切除におけるコツ―出血を少なくするために
Notes of tips to manage hemorrhage during partial hepatectomy
塚田 一博
1
,
山岸 文範
1
,
坂東 正
1
Kazuhiro Tsukada
1
1富山医科薬科大学第2外科
キーワード:
肝静脈域分水嶺
,
hanging maneuver
,
modified hanging maneuver
Keyword:
肝静脈域分水嶺
,
hanging maneuver
,
modified hanging maneuver
pp.993-997
発行日 2005年8月20日
Published Date 2005/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100158
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要旨:肝切除手術では術後に必要な肝機能の温存が至上命令であり,これには残存肝体積と侵襲を最小限にするために出血量を減らすことが必要である.本稿では出血量をいかに少なくするかという観点で,外科解剖学的特徴,特に肝静脈域分水嶺,肝切離器械,血行遮断法,hanging maneuverなどを取り上げ,さらに実際の肝切離のうえで出血を減じるコツについて述べる.肝切離での困難な止血の多くは,遮断しやすい肝門からの流入血流ではなく,肝静脈枝からである.解剖学的には肝静脈域分水嶺理論に基づく切離面の選択が必要であり,肝切離では種々の肝切離器具を駆使してグリソン系脈管をまず処置し,ついで下大静脈圧を考慮した肝の挙上や下大静脈側からのback flowを抑えるhanging methodなどを適宜用いることが重要である.
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