Japanese
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特集 化学放射線療法―現状とイメージングによる効果判定
肺がんの化学放射線療法
Current status of the chemoradiotherapy for lung cancer
坪井 正博
1
,
加藤 治文
1
Masahiro Tsuboi
1
1東京医科大学外科第Ⅰ講座
キーワード:
化学放射線療法
,
限局型小細胞肺癌
,
切除不能局所進行非小細胞肺癌
,
同時照射
,
逐時照射
Keyword:
化学放射線療法
,
限局型小細胞肺癌
,
切除不能局所進行非小細胞肺癌
,
同時照射
,
逐時照射
pp.765-775
発行日 2005年6月20日
Published Date 2005/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100115
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要旨:限局型小細胞肺癌に対する化学療法単独と化学療法+TRT併用療法を比較したメタアナリシスから,化学放射線療法併用群が化学療法単独群より3年生存率で5.4%の上積みがあり,死亡率で14%低いことが示されている.また切除不能Ⅲ期非小細胞肺癌に対しても,化学放射線併用療法は2年生存率で7~25%の上乗せ効果があることが報告されている.したがって,化学放射線療法は少なくともplatinumを含む化学療法との併用でその有効性が明らかにされ,併用のタイミングは逐次併用より同時併用がより有効的であることが証明されている.しかし,同時併用では毒性が増すことは明らかであり,PS,背景肺の状態などその適応決定には慎重を要する.特に高齢者が多い実地医療レベルでは,両者の副作用が重ならないことにも留意すべきである.今後,より安全かつ有効な効果を得るためには,分子標的治療薬を含めた抗がん剤の選択,投与のタイミング,放射線の照射方法などのさらなる検討が必要である.
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