Japanese
English
特集 神経筋疾患における呼吸障害
1.呼吸神経生理
Respiratory Neurophysiology
本間 生夫
1
Ikuo Homma
1
1昭和大学医学部第二生理学教室
1Department of Physiology, Showa University School of Medicine
キーワード:
metabolic breathing
,
behavioral breathing
,
respiratory related anxiety potential
,
ventral respiratory group
,
dorsal respiratory group
,
pre-Ⅰ
Keyword:
metabolic breathing
,
behavioral breathing
,
respiratory related anxiety potential
,
ventral respiratory group
,
dorsal respiratory group
,
pre-Ⅰ
pp.375-380
発行日 2002年5月1日
Published Date 2002/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406902133
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はじめに
体内の細胞が活動するためにはエネルギーを作りださなくてはならない。そのエネルギーを作る基となる栄養素を燃焼させるのに酸素が必要であり,酸素を肺から取り入れ,組織代謝の結果生まれた二酸化炭素を体外に排出するために呼吸が必要である。この代謝性呼吸(metabolic breathing)が呼吸の主たる目的であり,血中の二酸化炭素レベルあるいは低酸素レベルを的確に把握し,呼吸運動を調節している。その中枢は脳幹,とくに延髄にあり,生きるための基本となる中枢となっている。しかし,呼吸はこの代謝性のためだけではなく,その他話すこと,息を大きく吸うこと,息を止めることもでき,また,恐れのときの呼吸など情動に伴っても呼吸は変化する。これらの呼吸中枢は脳幹より上位にあり,延髄を中心とした代謝性呼吸に対して行動性呼吸(behavioral breathing)と呼ばれている。これら呼吸中枢の出力は,最終的には脊髄の呼吸運動神経細胞から末梢神経を介して呼吸筋に伝えられる。
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