Japanese
English
総説
パーキンソン病の膀胱障害
Disturbance of Micturition in Parkinson's Disease
榊原 隆次
1
,
内山 智之
1
,
芳山 充晴
1
,
服部 孝道
1
Ryuji Sakakibara
1
,
Tomoyuki Uchiyama
1
,
Mitsuharu Yoshiyama
1
,
Takamichi Hattori
1
1千葉大学医学部神経内科
1Department of Neurology, School of Medicine, Chiba University
キーワード:
Parkinson's disease
,
micturitional disturbance
,
neurogenic bladder dysfunction
,
detrusor hyperreflexia
,
peripherally-acting anticholinergic agent
Keyword:
Parkinson's disease
,
micturitional disturbance
,
neurogenic bladder dysfunction
,
detrusor hyperreflexia
,
peripherally-acting anticholinergic agent
pp.1009-1014
発行日 2001年11月1日
Published Date 2001/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901859
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
パーキンソン病では,運動障害にくわえて,排尿障害がおよそ60〜70%の患者にみられる。排尿障害の内訳は,排尿困難,尿閉などの排出障害よりも,頻尿・尿失禁などの蓄尿障害が多い。排尿障害はHoehnとYahrの重症度(運動障害の程度)と相関があり,振戦よりも筋強剛・寡動と相関する。SPECTでは線条体のdopamineニューロンの減少と相関する。尿流動態検査では,蓄尿障害の原因として骨盤神経の核上性障害を示唆する排尿筋過反射が高頻度にみられる。実験的に,dopamine D 2受容体は排尿反射を促進し,D1受容体は排尿反射を抑制することが知られていることから,パーキンソン病の排尿障害にはdopamine D1受容体機能低下が関係している可能性がある。排尿障害は初期には抗パーキンソン病薬で改善する場合がある。長期経過例には末梢性抗コリン薬(propiverineなど)を使用すると頻尿・尿失禁が軽快することが多いので,積極的な治療が望まれる。
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.