Japanese
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脳・脊髄のMRI画像アトラス
常染色体優性遺伝性脊髄小脳変性症の親子例—橋横走線維の信号変化(クロスサイン)について
A Parent and a Child Cases of Autosomal Dominant Spinocerebellar Degeneration:High Signal Intensity in the Transverse Pontine Fibers (Cross Sign)
冨安 斉
1,2,3
,
林 竜一郎
1
,
渡辺 良
1
,
本多 虔夫
1
,
吉井 文均
2
1横浜市立市民病院神経内科
2東海大学医学部神経内科
3現 刈谷総合病院神経内科
pp.686-687
発行日 2001年7月1日
Published Date 2001/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901808
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症例1 65歳,男性
15歳頃から歩行が不安定であった。20歳頃から次第に上肢の巧緻運動が拙劣となり,発語も不明瞭になった。その後症状は緩徐に進行し,52歳時に他医にて脊髄小脳変性症と診断された。その後屋内での生活は自立していたが平成8年2月脳梗塞で当科入院となった。神経学的には改訂長谷川式簡易知能評価スケール23/30。眼球運動は軽度上転制限があるが,眼振や粘着性緩徐眼球運動は認めなかった。構音障害を認めた。顔面を含む右不全片麻痺があり,筋緊張は四肢ともにやや低下し,時に首を右に捻るような不随意運動を認めた。感覚系は異常なし。体幹失調があり,右は片麻痺のため評価不能だが,左上下肢には明らかな運動失調を認めた。Wide baseで立位保持は可能であるが歩行は不能。ロンベルグ徴候陰性。四肢の腱反射は消失し,病的反射は陰性であった。常染色体優性遺伝形式で類症を認めたが,遺伝子解析の結果spinocere-bellar ataxia type 1(SCA 1),SCA 2,Machado-Joseph病(MJD),SCA 6,SCA 7あるいは歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症は否定された。
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