Japanese
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特集 高次脳機能のマッピング
4.高磁場MRによる脳機能画像
High-field MR and Brain Functional Analysis
中田 力
1,2
Tsutomu Nakada
1,2
1新潟大学脳研究所脳機能解析学
2カルフォルニア大学神経内科
1Department of Integrated Neuroscience, Brain Research Institute, University of Niigata
2Deparment of Neurology, University of California
キーワード:
hign-field
,
fMRI
,
3DAC
,
Lambda Chart
,
neuron
,
axon
Keyword:
hign-field
,
fMRI
,
3DAC
,
Lambda Chart
,
neuron
,
axon
pp.133-138
発行日 2001年2月1日
Published Date 2001/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901722
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はじめに
MR1技術の進歩には目を見張るものがある。1970年代にMRによる画像研究をカリフォルニアで開始した当時のわれわれにとっては,超伝導磁石を有する高磁場装置とは0.3Tの装置であった。平成8年(1996年)に帰国して本邦初の3.0T装置を立ち上げた頃,3.0T装置を「高磁場装置」と呼称する筆者に「高磁場装置」とは1.5Tの装置を意味するとの反対意見が殺到し,3.0T装置を「超高磁場装置」と呼ばざるを得なかった事実は,ついこの間のことである。現在,3.0T,4.0Tの装置を単に「高磁場」と呼ぶことに反対の意見を呈する人はほとんどいなくなった。事実,米国では3.0T,4.0Tの装置がFDA2からの正式認可を得た臨床機として稼動を始め,研究の対象としては更に高い磁場強度を持った7.0T,8.0Tの装置が活発に稼動を始めている3。
磁場強度が高いほど得られる情報量が多いというMRの基本概念よりすれば,高い磁場強度を持った装置の優位性は明らかである。しかし,「臨床」を念頭に置いた時,一概に強度のみでその優劣を語ることはできない。却って不利な要素も現れてくる。Dielectricresonanceによる画像の乱れなどはその顕著な例である。基礎実験が動物を対象とした小型装置で可能なMRの世界では,ヒト用大型装置の登場を待たなくともある程度までの予測が可能となる4。
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