Japanese
English
特集 脳梗塞に対する血栓溶解療法の進歩
2.経静脈的血栓溶解療法
Intravenous Thrombolytic Therapy in Acute Ischemic Stroke
峰松 一夫
1
Kazuo Minematsu
1
1国立循環器病センター内科脳血管部門
1Cerebrovascular Division, Departement of Medicine, National Cardiovascular Center
キーワード:
acute stroke
,
ischemic penumbra
,
intracranial hemorrhage
,
therapeutic time window
,
tissue plasminogen activator
Keyword:
acute stroke
,
ischemic penumbra
,
intracranial hemorrhage
,
therapeutic time window
,
tissue plasminogen activator
pp.857-863
発行日 2000年10月1日
Published Date 2000/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901661
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はじめに
1995年に発表された米国での大規模臨床試験NINDS rt-PA Stroke Study(以下,NINDS study)において,発症3時間以内のtissue plasminogen activator(t-PA)静注療法の有効性が証明された1)。翌96年,本薬は「初の脳血管障害治療薬」として米国FDAの認可を受け,北米の臨床現場での使用が可能となった。American Heart Association(AHA)などの関連学会もこれにあわせ,虚血性脳血管障害の急性期治療ガイドラインの改訂を行った2)。
t-PAに関する二重盲検試験は世界に先駆けてわが国で実施され,その有効性を示すデータも発表された3,4)。残念ながら,海外メーカーとの特許権を巡る争いから,この製剤の製造販売は中止され,以後国内では,長い「血栓溶解療法の冬の時代」が続いている。欧州,オーストラリアでも,各種血栓溶解薬の治験が実施されたが,これらの結果は必ずしも良好とは言い難い。さらに,超急性期血栓溶解療法の実際となると,症例の選択・除外基準,使用薬剤の種類と用量,投与可能時間,副作用(特に頭蓋内出血)など,未解決の問題も山積している。
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