Japanese
English
臨床経験
血管造影検査施行後に肺血栓塞栓を生じた1例
Pulmonary Thromboembolism Following the Angiography: Report of a Case
篠崎 哲也
1
,
長谷川 仁
1
,
有田 覚
1
,
渡辺 秀臣
1
,
長瀬 満夫
1
,
千木良 正機
1
,
宇田川 英一
1
Tetsuya Shinozaki
1
1群馬大学医学部整形外科
1Department of Orthopedic Surgery Gunma University School of Medicine
キーワード:
肺血栓塞栓
,
Pulmonary thromboembolism
,
血管造影
,
angiography
,
組織プラスミノーゲン活性化酵素
,
t-PA
,
tissue plasminogen activator
,
肺血流シンチグラフィー
,
pulmonary perfusion scintigram
Keyword:
肺血栓塞栓
,
Pulmonary thromboembolism
,
血管造影
,
angiography
,
組織プラスミノーゲン活性化酵素
,
t-PA
,
tissue plasminogen activator
,
肺血流シンチグラフィー
,
pulmonary perfusion scintigram
pp.1377-1380
発行日 1994年12月25日
Published Date 1994/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901524
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抄録:血管造影検査施行後,肺血栓塞栓を生じた1例を経験した,症例は61歳女性で左殿部悪性軟部腫瘍を疑い術前に右鼡径部大腿動脈からの刺入にて腫瘍の血管造影検査を行った.検査施行後6時間程経過したところで軽度の腹痛を訴え始めた.24時間経過後,鼡径部の圧迫を除去し体動を開始した直後より嘔吐と呼吸困難を訴えショック状態となった.その際の胸部単純X線写真では特に異常を認めなかった,しかし,動脈血液ガス検査で低酸素血症を,肺血流シンチグラフィーで両肺野の血流障害を認めた.肺血栓塞栓症と診断し直ちにt-PA(組織プラスミノーゲン活性化酵素)投与を行ったところ,著明な症状の改善が認められた.動脈硬化症を伴うような高齢者では血管造影後に血栓塞栓症を起こす可能性があることに注意すべきである.また,その発症に際してはできる限り早期のt-PA使用が有効な治療であると思われた.
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