Japanese
English
総説
ガンマナイフの長期治療成績
Long-term Results of Gamma Radiosurgery
小林 達也
1
,
木田 義久
1
,
森 美雅
1
Tatsuya Kobayashi
1
,
Yoshihisa Kida
1
,
Yoshimasa Mori
1
1小牧市民病院脳神経外科・ガンマナイフセンター
1Department of Neurosurgery, Gamma Knife Center, Komaki City Hospital
キーワード:
gamma radiosurgery
,
vascular diseases
,
brain tumors
,
functional disorders
Keyword:
gamma radiosurgery
,
vascular diseases
,
brain tumors
,
functional disorders
pp.599-608
発行日 2000年7月1日
Published Date 2000/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901625
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ガンマナイフの歴史と現況
ガンマナイフ(gamma knife)はradiosurgeryの一つで,1968年スウェーデンの脳外科医Lars Leksell教授により開発され実用化された15)。1号機は197個のコバルト線源を半球状のセントラルボディに配置し,コリメーターを用いてヘルメットの中心に焦点を結ぶように設計されている。初期の治療には,頑痛の患者の定位的視床破壊術として4mmのコリメーターが使用されその効果が確認されている。その後201個の線源と4種類のコリメーターを有する装置に改良され,より大きな病巣を治療できるようになった。Steinerら20)は脳動静脈奇形(AVM)を,Norenら18)は聴神経腫瘍(AN)を,Rahnら19)は下垂体腺腫(PA)を各々治療した。しかし,ガンマナイフの歴史上画期的なことは,治療計画にMRIが導入されたこと,および1987年Lunsfordら16)により米国ではじめて治療が行われたことである。そこでAVM,AN,PAの他にも転移性脳腫瘍(MET),髄膜腫(MEN),神経膠腫(GL)など多くの頭蓋内腫瘍に対して用いられ低侵襲治療として好評を博した。それ以後ガンマナイフは全世界に普及している。そして最近では三叉神経痛(TGN)13),パーキンソン病(PKS)21),てんかん(EPI)1),疼痛(P)14)などの機能的疾患の治療にも応用され良好な成績が報告されている。
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