Medical Scope
脳室周囲白質軟化症の発生に関する新しい研究成果
島田 信宏
1
1北里大学医学部産婦人科
pp.1011
発行日 1998年11月25日
Published Date 1998/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903465
- 有料閲覧
- 文献概要
脳室周囲白質軟化症(PVL:periventricular leukomalacia)が低出生体重児の脳性麻痺の最大原因であるということは,皆さんはすでによくご存知のことと思います。今までにその発生原因や病態についての多くの研究が学会に発表されています。そして,ようやく結論として言われているのは,低出生体重児の分娩周辺期(主に早産の分娩周辺期)に,何らかの原因で胎児や新生児の脳室周囲に血流の減少が起こり,低酸素状態となってその辺の細胞がやられて発生するのだろうということでした。このことは以前にこの小欄でも述べてきました。
その血流の低下による虚血の原因は,胎児や新生児の血圧が下降するために起こるのだろうということも推測され,出生前に発症しているものでは,おそらく臍帯の圧迫による血流低下が考えられるということでした。ですから変動一過性徐脈が出現している症例に多発する傾向のあることもわかっているのです。
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.