今月の主題 認知症の動的神経病理
話題
Familial PD
小尾 智一
1
Tomokazu OBI
1
1独立行政法人国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター神経内科
キーワード:
familial Parkinson disease
,
α-synuclein
,
Parkin
,
LRRK2
Keyword:
familial Parkinson disease
,
α-synuclein
,
Parkin
,
LRRK2
pp.1165-1170
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100737
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1.はじめに
パーキンソン病はアルツハイマー病に次いで多い神経変性疾患である.現在,人口10万人あたり100~150人の有病率で,全国では約12万人が罹患している.パーキンソン病の原因には不明な点が多いが,最近の10年間でメンデル遺伝形式に従う家族性パーキンソン病の遺伝子が同定され(表1),パーキンソン病の病態メカニズムについての知見が大きく広がった.その存在が確実な遺伝子はα-synuclein,Parkin,DJ-1,PINK,LRRK2である.そして,ほぼ確実なUCHL1と,linkage analysisでその存在が示唆されているPARK3,9,10,11が挙げられる.これらはパーキンソン病の診断と病態の解明に大きく寄与するものと思われ,これまで報告のあった家族性パーキンソン病の遺伝子と臨床像について概説する.
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