Japanese
English
特集 Axonal flow—最近の進歩
3.MR Axonography—MRIの応用
MR Axonography : Application of MRI
中田 力
1
Tsutomu Nakada
1
1新潟大学脳研究所脳機能解析学
1Department of Integrated Neuroscience, Brain Research Institute, Niigata University
キーワード:
diffusion
,
anisotropy
,
axonography
,
MRI
,
ADC
Keyword:
diffusion
,
anisotropy
,
axonography
,
MRI
,
ADC
pp.712-718
発行日 1998年8月1日
Published Date 1998/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901320
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はじめに
分子運動には,並進translation,回転rotation,振動vibrationが存在する。分子を剛体とみなせば並進と回転のみを考慮すればよい。磁気共鳴magneticresonance(MR)1は分子運動を評価できる数少ない方法論の一つであり,一般的に,回転運動は緩和relax-ation,並進運動は拡散diffusionとして扱う。
本来の拡散現象は粒子のブラウン運動による規則性を持たない運動incoherent motionであり,その基本概念は確立された物理特性である。しかし,生体を対象にした方法論では厳密な意味での拡散現象ではなく,拡散現象の範疇で捉えることのできるすべての微視的並進運動を含めた「みかけの拡散apparentdiffusion」として扱われる。Axonal flowとは軸索内の物質移動を意味し,axonal flowに関する情報を生体から非侵襲的に取り出すためには,みかけの拡散を扱うMRの手法が役に立つ。
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