Japanese
English
特集 Axonal flow—最近の進歩
2.軸索輸送の測定
Evaluation of Axonal Transport
比留間 弘美
1
,
片倉 隆
1
,
川上 倫
1
Hiromi Hiruma
1
,
Takashi Katakura
1
,
Tadashi Kawakami
1
1北里大学医学部生理学
1Department of Physiology, Kitasato University School of Medicine
キーワード:
axonal transport
,
radioisotope
,
video-enhanced microscopy
,
neurotransmitter
,
mitochondria
Keyword:
axonal transport
,
radioisotope
,
video-enhanced microscopy
,
neurotransmitter
,
mitochondria
pp.703-710
発行日 1998年8月1日
Published Date 1998/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901319
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はじめに
神経細胞の形態形成や機能の大部分に軸索輸送は深く関わっていると考えられている。例えば,神経線維の伸張,シナプス形成,神経伝達物質放出,受容体発現のため,多種多様な物質がたえることなく軸索中を輸送されている。生体機能を正常に発現するために細胞死がプログラムされていることが明らかになってきたが,神経細胞の細胞死についても軸索輸送が関与している可能性がある4,7,20,43)。また,脳や神経を侵す疾病もさまざまな形で軸索輸送を侵害していると考えられる19)。このように神経の形態や機能維持に必須である軸索輸送について,さまざまなテクニックを用いて研究されてきた。輸送物質を同定するのみならず,軸索輸送の役割や調節といった機能を調べるためには,研究対象を客観的に評価・測定する必要がある。本稿では,軸索輸送の測定について述べる。
軸索輸送の測定法を大別すると,放射性同位元素で標識した物質の動きを測定する間接的手法と,軸索輸送を顕微鏡で直接観察する直接的手法がある。
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