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特集 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の新しい治療
4.神経栄養因子による筋萎縮性側索硬化症の治療—CNTF,BDNFを中心として
Neurotrophic factor treatment in amyotrophic lateral sclerosis
津坂 和文
1
,
三本 博
1
Kazufumi Tsuzaka
1
,
Hiroshi Mitsumoto
1
1クリーブランド・クリニック神経内科・神経科学
1ALS center, Department of Neurology and Neuroscience, The Cleveland Clinic Foundation
キーワード:
neurotrophic factors
,
ALS
,
therapeutic trial
,
animal models
Keyword:
neurotrophic factors
,
ALS
,
therapeutic trial
,
animal models
pp.625-630
発行日 1998年7月1日
Published Date 1998/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901309
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はじめに
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は,未だ原因も治療法も確立されていない難病であるが,ここ数年,CNTFやBDNFをはじめとして,神経栄養因子の動物モデルへの効果が報告されるようになり,基礎,臨床両面から,今最も活発に研究が進められている。
神経栄養因子はニューロンが支配する組織より分泌され,ニューロン末端より取り込まれ,逆行性軸索運搬によってニューロン細胞体に送られニューロンの増殖・分化・生存・再生過程を支配するものと定義されていた1)。しかし神経栄養因子の分泌は以前考えられていたよりも広範で,その作用もさらに複雑であることがわかり,その定義も変更を必要とされつつある2,3)。
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