Japanese
English
総説
ボツリヌス毒素による神経疾患の治療—最近の進歩
Treatment of Neurological Disorders with Botulinum Toxin:Recent Progress
目崎 高広
1
,
梶 龍兒
2
Takahiro Mezaki
1
,
Ryuji Kaji
2
1榊原白鳳病院
2京都大学医学部神経内科
1Sakakibara Hakuho Hospital
2Department of Neurologry, Kyoto University
キーワード:
botulinum toxin
,
treatment
,
blepharospasm
,
dystonia
Keyword:
botulinum toxin
,
treatment
,
blepharospasm
,
dystonia
pp.499-505
発行日 1997年6月1日
Published Date 1997/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901116
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
1996年10月に,かねて治験が行われていたボツリヌス毒素の臨床使用が,眼瞼痙攣のみに適応を限って厚生省の承認を受けた15,22)。すでに世界45カ国で使用され,国際的に評価が確立している治療法であるだけに,正に待望の承認である。
本邦ではこのほかに,片側顔面痙攣・痙性斜頸などに対する治験を行っている。このうち,1993年から片側顔面痙攣と痙性斜頸とについて行った多施設共同試験の成績,また同時期にわれわれが行った痙性斜頸における用量反応関係の試験成績については,すでに本誌で発表した28,29)。さらに,1996年3月から12月にかけて,われわれは片側顔面痙攣と痙性斜頸とについて最小有効量設定のための追加試験を行っており,現在結果を集計中である。
神経疾患に対するボツリヌス毒素の臨床応用の概略は,すでに1994年に本誌の総説で述べた25)。本稿では,その後の研究の進歩を中心に記述する。また近々治療が「解禁」される眼瞼痙攣については,その病態・治療法・副作用を再度略述する。
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.